■自然との生態系を保護、共生することを目的とする獣害対策専門特定非営利団体法人 中部猟踊会
中部猟踊会三州マタギ屋ROGO
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中部猟踊会ごあいさつ

1.活動内容

野生動物の影響を受ける山村部の農業従事者自身が、中山間地域で共に野生動物と共に生きるうえで、個体数調整のための捕獲技術をもって野生動物を活用できるよう、主に箱罠を使用した捕獲技術指導や、保健所の認可を得た会員手作りの解体施設での解体作業支援等を行っている。
その理由として、温暖化等の影響である種の野生動物(岡崎市額田地区ではイノシシ・ニホンジカ・ニホンザル)の個体数が増加し、農業被害等が発生していることがあげられる。
その対応策として、行政と猟友会が有害鳥獣捕獲(駆除)を行ってきた。

しかし、猟友会員の高齢化と減少に伴い、被害を発生させる野生動物の捕獲が円滑に進まなくなってきている。
以上が、農業被害を受ける農業従事者自身が、その被害の質と量を見極めて対策を行ううえで必要な技術を持てるよう支援を行う所以の第一である。

2.会のモットー(何を大切にしているか)

当団体は野生動物を、農業被害を発生させる加害者であるとともに、地域の大切な資源であると捉えて、中山間地域で野生動物と人間が共に生きていくうえで野生動物を活用していける仕組みづくりを目指している。

3.設立から現在に至るまでに変化したこと

特に理念的・立場的に変化したことはない。上記のモットーにより、周囲の理解と援助を得ながら、少しずつ前進し、成長している。

4.連携している団体・専門家・自治体など

中部猟踊会西日本(九州)、中部猟踊会北陸、特定非営利活動法人「メタセコイアの森の仲間たち」の支部である若者による里山保全組織「猪鹿庁」、額田猟友会、その他多数。

5.山村再生や、その担い手づくりに関わる具体的な活動

当団体は、三州マタギ小屋を運営し、額田地区の猟友会と連携して地域の農業従事者の捕獲技術指導及び解体作業支援を主に行っている。

その他、地域の小学校のイベント・教育や、お祭り等にふるまいとして猪鍋などを出している。
個体数調整の意義や方法、猪肉・鹿肉の活用や、家庭でも調理できるようなレシピもホームページ上で公開している。
解体時に出る骨のドッグフード利用や毛皮、牙などの加工も開拓している。

6.現在直面している課題

現在直面している課題にある意味で表現されるような、せっぱつまった課題意識はない。
三州マタギ小屋で精力的に活動している日浅一氏を中心に当団体の主要な活動が行われ、休みがないほどであることから、若者達が、積極的に日浅氏の考えや技術を吸収して、少しずつ経済効果も考えていくことが必要であると考えられる。
これは、問題を抱える地域住民とともに、当団体としての責任感とチームとしての自信をもって活動していくことが、今後必要な成長過程であると考える。

7.今後やってみたいこと

2で述べた観点から、多様な野生動物の利用方法を模索することがあげられる。
骨のドッグフード利用を進め、以前には角や牙、毛皮などの加工なども行ったが、現状では食肉としての利用が主である。短期的経済効果のみをもとめるのではなく、都市部住民と自然の一つの触れ合いの形としての利用を模索してみたい。

また、現在の食肉利用の提案としてジビエがよく取りざたされているが、そこには二つの流れがあるように思われる。
一つは、シカの背ロースなどの利用しやすくおいしい食肉部位のみを利用して残りは廃棄する、ジビエの高級感と料理技術のみ仕入れてどこでだれが処理したかわからないような肉を利用するなどの流れである。
これは当団体の野生動物と人間が共に生きて、大切な地域の資源として活用しようという観点から見ても、フランス等に見られるジビエという文化・思想から見てもその意義を外していると考えられる。

そうではなく、生命をいただき一頭まるごと余すところなく食肉として利用し、旬の野生肉として安心安全で衛生的かつ美味であり、どこでだれが処理したかわかるような肉を利用するという流れが、当団体のモットーと響きあうものである。
これが、ジビエなどの、今後の野生動物の食肉利用の基本となるよう、当団体も努力する必要があると考える。

その努力の方向性として3点あげる。第一は、地域の農業従事者の作物とともに食肉を利用すること、併せて第二に、その利用は家庭的であること、第三は、畜産業が存在する中で日本の自然に生きる野生動物を活用することの意義の明確化である。

第一の意味は、2.で述べたように、農業従事者が被害対策の実践者であることと関係する。
野生動物の食肉は、その土地で収穫された農作物とあわせて、農業従事者の活動によって得られた地域の大切な資源である。それらの地域資源があわさることで、地域再生や、よりおいしく資源をいただけるような提案を行えるのではなかろうか。

第二の意味は、ジビエにおける高級感と関係して食肉利用の二面性を意味する。
一面として、ジビエは日本にある高級なフランス料理の高価な食材もしくは地域起こしとして土産やレトルト販売といったような、非日常的な利用がある。
もちろん、その意義は認めるものの、もう一面には、日本の食生活にすでにある肉食を含んで、家庭の季節の食材として利用するという意義がある。ここで季節の食材、つまり旬ということを述べるのは、通年的に一定の利用ができる現代農業や一部漁業の形態とは違い、獲れる時期獲れない時期があるということとおいしさにより深みがでる時期があるということである。
このこととあわせ、家庭の調理器具や調味料等で、主婦(夫)や子供、お年寄りが簡単においしく調理できる方法や食肉販売形態を構築することを行ってみたい。

蛇足であるがもう一歩進んで、家庭とは都市部の家庭と山村部の家庭があるが、第一の意味と併せて、山村部の住民である農業従事者自身の家庭で食肉利用することの意義を次に述べる。それは、農業従事者が育てる作物を加害する側面が、野生動物には確かにある。ここで、農業従事者自身が攻防一体の技術を持つことによって、仮に作物を食べられたとしても、その作物の経済効果によっては、それを食べたことで野生動物が育ったことを意味するので、捕獲し利用することを通じて新たな形で経済効果を生み出すとみなせる可能性がある点である。

第三の意味は、現代日本の食文化およびその肉食化と、安心安全な食料を求める機運が関係する。
野生動物の肉とは魚類で言えば天然ものと同意義であると考えられる。現状では効率的集約的な畜産業による牛・豚・鶏に代表される家畜によって食肉の選択肢は魚類に比べて狭い。のみならず、トレーサビリティは導入され効率的な肥育などが行われているが、動物福祉の観点などから、なお改善の余地があるといわれる。

そこで、日本の豊かな自然に生きる野生動物を、衛生的な解体処理施設で食肉として利用することは、日本の肉食に関わる食文化に新たな選択肢を加え、人間が安心安全かつ健康に生き続けていくための取組みである。よって、現在の仕組みにおいて、よりその意義を明確にするため、情報交換の“場”、“発信”を当団体の活動として、有志の方々と意見を交換し、岡崎市を中心に、より実際的な意義を鮮明にした仕組みとその担い手を育て広げることを行ってみたい。

8.そのためにはどんな情報・人脈が必要か

会員各自が当団体のモットーのもとに実施される活動に連携をとりながら従事するうえで、各自が担う活動の意味を考えながら行動できる人、その結果を吟味して次の活動につなげていけるように情報を整理・公表できる人、当団体の理念と活動に共鳴した方々と共に情報と人員を活用して本団体・地域社会・国家の総合的な発展に貢献できる人が必要である。

9.会のモットーから、具体的にどのようなことを大切にしているか

以下に大切な事柄を四点にまとめる。
第一に、有害鳥獣捕獲で捕殺した野生動物を山中へ埋設または焼却処分をするような仕組みであることを踏まえて、山村部の大切な資源としての野生動物を衛生的に解体処理して食肉等に利用する仕組みにしようとすることに力点の一つがある。

利用を考える上で第二に、金銭収入優先・効率優先を重視した経済効果よりも、持続可能で計画的な経済効果を志向する仕組みをつくる必要性がある。
現状として、個体数が増加した結果、被害を発生させる適正数値以上の野生動物を捕獲し利用しようという動きがある。これは、個体数が増加傾向の内は、どちらの経済効果であろうとも一見しただけでは「利用」という点にあまり変わりはない。
だが、持続可能であるということはこれにとどまらず、温暖化の変化等により適正数値を下回り被害が許容範囲となった時、さらに個体数を減少させることのないように「保護」するということまで視野に入れた仕組みが必要である。
資源の活用という観点は、利用と保護を兼ね備える点に重点があり、単に野生動物のみによる効率的な金銭収入を重視したのでは、いざ保護すべきという時に目先の金銭収入にとらわれて捕獲の歯止めがかからない可能性が高い。現在策定されている特定鳥獣保護管理計画も参考に、地域の産業と野生動物との兼ね合いを考量し、過去に学び捕獲一辺倒や保護一辺倒になることなく、計画的に地域の中で野生動物活用の経済効果を求める必要がある。

ここから第三に、野生動物の個体数をうんぬんすることのみに依拠した経済活動主体ではない活動主体が求められる。
つまり、単に効率的な金銭収入として食肉を利用とする狩猟者では、いざ保護というときに、自己の存続を図るための経済効果さえも確保できない羽目に陥る。その解決の一つとしてその他の経済効果を確保できる主体が必要である。
そこに、農業従事者が最終的な捕獲の実践者になることのもう一つの意義がある。同時に、当団体はNPO法人であるため、非営利的に農業従事者を支援可能である。ゆえに、野生動物への効率的・金銭収入重視の経済効果を狙わず、持続可能で計画的な経済効果を目指そうという意図を確保できる理由がある。

付け加えて第四に、当団体の支援によって山村部の農業従事者ひいては住民が野生動物を活用することは、先に述べたように野生動物を地域の大切な資源として利用し、保護することである。それゆえ、狩猟技術や解体作業のみならず、野生動物の生態や自然環境の状況を鑑みて適正数値に表せるような「山の経験」が必要である。同時に、衛生的な解体施設および加工所も必要である。
さらに、山村部と水と土地でつながる都市部は、広く自然環境を共通基盤とする意味でも地域の一部であり、大切な資源を活用する主体の一つである。こうした観点から、「山の経験」や各種施設、自然環境についての意見を共有・議論したり活用を図ったりするという意味で、「交流」が必要である。

そこで、山と人間の交流、山村部内や都市部内での人間の交流、山村部と都市部の人間の交流が促される“場”や“情報発信”が求められる。この“場”“情報発信”にあたって、今後の当団体の持続的な経済効果が発揮される。野生動物の食肉販売のみに由来して経済効果を出そうとすること、具体的には単なる解体精肉販売業者になるということではないことが重視される。
以上が、当会のモットーから導かれる四点の大切な事柄である。

10.その他、伝えたいこと

この施設は、有志の方々の意見交換の場であり、山村と都市に住む方々の交流の場でもある。
さらに、世代的にも十代や二十代の若者からお年寄りの方々も親しく集い、多様な広がりを見せている。その中で、捕獲・解体や食肉等の利用を体験し、その意義を認める若者達が集まり、そうした作業や新たな食肉の製品開発、農業従事者さらには林家とのより発展した連携の模索などを行おうという機運が高まっていると思われる。

そうした意味で、山村再生とは、単に山村のみで経済や社会を再生するという意味ではなく、都市部と山村部との交流の中で、様々な経済効果を含めた地域社会の構造、つまり当該地域では主に岡崎市であり、さらにはその基盤となる自然環境との関わりを見直すことの一環としてはじめて意義をもつ言葉であると考える。

以下は蛇足であるが、これはややもすれば、観念的かつ非経済的で、「現実の経済的課題に有効な」という意味で再生的ではないという疑問が生まれるかもしれない。つまり、「誰が」「どれだけ」やるのかが不明瞭であるということであり、言い換えれば単に物好きが集まって好きにやるということとどう違うのか、という疑問である。
この疑問は、見方をかえて言えば、有志ができる範囲でやれることをやる、ということであり、仕組み自体を見直しながらチームで適材適所を心がけ順応的に行うということである。当団体はNPO法人であり、非営利的な性格をもって地域の野生動物に関する支援を行う団体である。これを忘れて営利的な活動に邁進することは団体の意義を損なうものであり、その意味では経済的課題に直接的に取り組め、というような疑問は度外視できる。

なお残る疑問点も、当団体がなお成長途上にある、という点に配慮して今後の当団体の意義とチームの役割を明確にしていく過程で応えていくことができると考える。この過程については6にて述べる。

次に、9.で記したそれぞれの経済効果の意味について詳述する。
ここでいう効率的な金銭収入としての経済効果は、単に金銭的な収入支出のみを取り出して経済とし、その金銭の授受で発生する物品の取引と利用による私益の充足のみをもって経済の効果という意味を持たせている。

一方の持続可能で計画的な経済効果は、経世済民という語に明らかなように、世を治めて民を救うという意味を持たせている。つまり、金銭の収入支出とその物品取引および利用は、持続的に地域を安定させ住民が安心して生活できるようにするという目的のもとで行われる手段である。
安定で安心であるような結果を得るためには、短期的で収奪的な手段では達成されない。長期的で生産的な手段で達成されるものである。
そうした自他の精神的物質的な生存を持続的に確保するという目的をもって行うときにはじめて、効率的な金銭収入を図る意義が生まれる。収入を計って支出を定めるには目的を持った計画性が必要であり、この計画性によってはじめて不測の事態によく耐えられる。

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