初めての出来事

先日、夕方5時に猪の捕獲連絡があったので、日浅さんと田渕さんは捕獲をしに出かけました。しかし、山小屋に帰ってきたときには何も持っていませんでした。

話を聞く所によると、お二人が現場に到着したのは6時で、山の中に設置された檻だったこともあり、もう辺り一面真っ暗だったそうです。相手は推定2歳の仔猪。ナイフを刺して猪が地に倒れ、ぴくりとも動かなくなったので檻の扉をあけると、動き出してぴゅっと逃げ出したとのこと。
そのまま夜の闇にまぎれて林の中に逃げ込んでしまい、どちらにいったのかもわからなくなってしまったので、仕方なく帰ってきたという話でした。

手応えはあったので10分もしないうちに死んでしまうだろう、明日の朝に猟犬を連れて捕まえにいくとお二人は言われました。やはり、捕獲しようと刺したならば最期までしっかりと捕えきらないと、狩人としては気が収まらないのでしょう。お二人とも寝覚めが悪かったそうです。

そんなわけで、翌朝、猟犬一頭、名ははっちゃんを連れ、田渕さん、日浅さんで再出動。最初から追跡に猟犬は使用せず、足跡と血痕だけで追っていったそうです。刺された檻のそばには大量に血は出ていたものの、歩いた方向がはっきりわかるような血はほとんど出ていない。よく観察するとそこから数m離れた斜面を下る方にわずかな血痕を発見したそうです。
そこから2〜3mおきに、日浅さんいわく鼻水程度垂れていただけという量の血のりと、かすかに残る足跡の向きを頼りに追ったとのこと。推定約400m山中を追跡し、はっちゃんに頼らずお二人だけで無事猪を捕獲、回収してきました。

はっちゃんも放さず、よくそれだけの情報で野生の猪を追えるものだと、お二人の観察力に感心するとともに、ほとんど致命傷であろう刺し傷を負いながらも、約400mも山中を逃げた猪の生命力の強さに改めて驚かされました。長年の捕獲経験があるお二人も、このようなことは初めてだったそうです。
朝に檻の見回りして捕獲情報が一時間でも早く入れば、その分余裕をもって捕獲作業ができるでしょう。明るいうちに捕獲できるほうが、人間の安全面のためのみならず、無用の苦しみを与えないという意味で、殺す野生動物のためにもなるのだなあと感じました。

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