捕獲にあたって

先日、日浅さんに連れられて捕獲作業に参加しました。

現場で、第一の注意点は鹿がいるのか猪がいるのか、オスかメスか確認し、その際、根本的なこととして、その対象となる野生動物のいのちへの配慮と、その地域の個体数の多寡に配慮をせねばならないと教わりました。次に単独か複数いるかを確認することを指摘・指導されました。

それから、セット作業に入る場合、その個体によってセット方法を使い分けること、当日は、メス鹿が数頭檻にきていることを確認しました。鹿の場合は、警戒不足ということで、子供から先に檻の中に侵入する傾向があります。小さい子供でセットが作動しないように、セットしました。セットした結果、翌日に、三頭のメス鹿が捕獲されました。

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ワイヤーで足首を痛めた猪を見て。

今日山小屋に行ったら、日浅さんにくくり罠のワイヤーで足首を痛めてしまった猪を見せてもらいました。

今年の春に生まれた一才の雌とのことでした。まだ傷口が赤くふさがっておらず、最近のけがだそうです。
骨まで食い込んでいて、多少の筋で蹴爪がぶらさがっているような状態で痛ましいものです。
ちぎれたワイヤーが足首に残っていました。そのちぎれた先がまるでぼろぼろの糸のふさのようになっていて、
何度も暴れてねじ切ったのだろうかと思いました。

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不必要な痛みを受けていて哀れに感じます。罠猟はきちんとした見回りが必要だと改めて思う出来事です。
ところが、よくワイヤーを見ていると、日浅さんがあることに気づきました。

誰が作ったのかはわかりませんが、足をくくる輪の部分の構造が、ワイヤーの先をほぐして穴をつくって
その穴に通しただけで、装着が義務づけられているはずの締付け防止金具がついていませんでした。

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ずっと締め付けられてさぞ痛かったろうと思うとともに、それでもワイヤーをちぎって逃げ出す猪の力に、野生の命の強さを感じました。

ですが、痛めた足ではなかなか食料も口に出来なくて檻に入ったのだろうかと思うと、自分がこんな場面に出会ったら、せめてなるべく苦しまずに命をいただけるよう、速やかにとどめをさせる努力をしようとも思います。

やはり、いただいた命を出来る限り使わせてもらうためにも、相手のことををよく知り考えて、罠や仕掛け方等を決め、見回りなどを十分に行って、不必要なけがをさせないように取り組むことが大事だと、改めて考えるきっかけになりました。

子犬と猿のお遊び?

去年、モンとキーがいる小屋のほうで、大きな物音と鳴き声にびっくりして見に行ったら、フクの姉妹の子犬がちょっかいを出していました。もっと小さい頃は猿にしてやられていたのに、距離を見極めて吠えかけたり無視したり、すっかり立場が逆転したよう。

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モンとキーは手を出したり吠えたりするだけでなく、小屋の金網にのぼってゆすり、大きな音を出したり。

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それでも子犬はおびえたそぶりも見せずにちょっかいをかけ続け、その度胸と巧みさを見た日浅さんたちは、これは狩猟犬としてものになりそうだといっていました。

 

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最後には飽きたのかその場から離れていきました。こういったのが去年は何回もありましたが、もうこの子犬は貰われていってしまいました。静かにはなりましたが、ちょっと寂しいです。

 

 

 

子犬の写真

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我が家にきた福の写真、生後3ヶ月くらい、
体重は約10kgのときです。
お互いものになるかどうかはわかりませんが、
徐々に捕獲に携わっていきたいと思います。

マタギ屋の狩猟犬の子犬をいただきました。

昨日、マタギ屋で生まれた3頭の子犬の一匹をいただきました。狩猟犬の血統で、オスの2か月目、名前は福(フク)です。我が家まで40分の程度の道のりでしたが一回吐きました。車に乗っても酔わないようなれさせていこうと思いましたが、そこですでに悪いことをしたなあ、と心痛みました。連れてきてからも、震えたり哀切な声で鳴いたりして、とても心苦しかったです。日浅さんは早く我が家になれるように無視しなさい、あまりかまわないように、とのことでしたが、鳴き声を聞くとなかなかそう心が決まらず、辛かったです。

狩猟犬は使役犬であり、愛玩犬などではないので、かまいすぎないように、車などにもなれるようにしつけること、また、親から離れた犬の気持ちなど、頭ではわかっていても心はとても切なくなりました。愛玩犬でも犬を家族として迎えるといっても人間とは違う、という前提があり、いわんや使役犬として育てようとするならばなおのこと、このような半端な同情意識は双方によくないと自分に言い聞かせている最中です。

この犬カテゴリでは、マタギ屋の犬の様子や、我が家の福(フク)の成長をお伝えしたいと思います。上記のように、初日からかなり心くじける有様で、若輩の私がどこまでしつけられるかわかりません。ですが、狩人として長年の経験をもち、多くの狩猟犬を育ててきた日浅さんに学び、お聞きしながら、ともに現代バージョンの狩人と狩猟犬として、フクとどのように育ちあえるかを模索していきます。これから、狩人を目指していきたいと思う方の一助にもなったら幸いです。(そうは言いつつ、あまり勢い込むと長く続かないのが私の性分なので、肩肘はらず、まずは元気に育ってくれたらいいなあ、の精神でいこうとも思っております。)

昨日今日とあわあわしていて、写真も撮り忘れてしまいました。また次の記事にあげたいと思います。

JAまつりでのイベント

16,17日に岡崎総合公園の武道館で講演と猪汁の試食会をしました。私もそのお手伝いとして参加し、若手の意見として、岡崎市街に住んでいる私がなぜ中部猟踊会に所属したかなどを、壇上でお話しました。その後、猪汁をご来場の方々に配りました。

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普段食べている作物が野生動物によって荒らされている、という感覚は、日本各地、世界各地から集められている食べ物を購入しているとわかりづらいことや、岡崎市の中山間地域の生活がなくなれば、直接市街地が野生動物と関わりをもつことになるのではないかということなどをお話しました。他の武道館のイベントと比べてやや硬い感じでしたが、ご参加いただけてありがたかったです。こういうところから、野生動物への価値観が見直されるとうれしいです。

新香山中学校での講演&猪鍋食事会

10月24日に、新香山中学校で、一年生生徒の皆さんに、獣害についての講演と猪鍋食事会が行われました。人と野生動物の共生について、日浅さんが日頃の経験と考えを伝えました。生徒さんから、イノシシの生態・解体の方法や猟師の減少問題についてなどの質問もだされました。

中学校

私も最後の5分間、話をさせていただきました。緊張したけれども、とてもいい経験になりました。

その後、猟踊会の会員とお手伝いしに来てくださった方々が調理してくださった猪鍋を皆で食べました。とてもおいしく、110人前くらいつくった鍋が空になりました。

はそり

イノシシ肉は猟踊会からの用意でしたが、野菜は生徒さん方が用意して下ごしらえもしてもらえ、大変スムーズに調理できたようです。私はこうした料理はしたことがないので、今後のイベントなどでは積極的に参加して作り方を学んでいきたいです。

200kg以上の大きいイノシシ。

先日、こんな大きいオスのイノシシが獲れた。

230キロイノシシ

200kg以上あろうかという人よりも大きな体。私は捕獲の時にはいなかったけれども、この相手をするのは相当難しいだろう。日浅さんの気合いと技術はすごいと思う。日浅さんの活力を見習い、私もこれから学び、体得していこう。

この日の前後にも2頭ずつオスイノシシが獲れていた。おいしそうであった。写真のでかいのも生命力が高そうである。彼らをありがたくいただいて、明日への活力としたいものだ。

日浅さんとのお話② 野生動物の被害って?

今回は、野生動物の被害、特に農業被害についてお話しました。

額田でも、近年田んぼの稲などをイノシシなどに食べられてしまう被害がでています。そこで、柵や電気柵で田畑の周囲を囲って荒らされないようにしています。食べられてしまうと、収穫の時期なのに稲穂もなにもないような状態にされます。

稲切り取り

農業といっても家庭菜園・自家消費から大規模に耕作・売買する形など色々あり、人それぞれです。農業被害でも、金銭に換算できないような、精神的な被害もあります。

このとき、農業従事者自身や生産物利用者が、被害者意識のみで野生動物に相対すると、地域の資源としての側面は見えにくくなると思います。また、被害対策を人任せにしたり、私は農産物を利用しないから関係ないものと思っても、土地がつながっている限り、いつかは自分のところに野生動物の被害が出てくる可能性もあるでしょう。

こうした農業被害の対策を講じるうえで、柵などの防御とともに、被害を発生させる動物を捕獲する技術と地域の大切な資源という考え方があれば、農業被害の、より積極的な考え方も出てくるのではないかと考えます。

例えば、土地の農産物とともに捕えた動物の肉をいただければ、一つの地域での物質・いのちの循環としての意味が見出せるでしょう。防御したうえでなお農産物が食べられたとしても、大切な資源という考え方と捕獲する技術があれば、作物を食べられた分、動物もおいしく育つだろうという気持ちで利用することができるかもしれません。

稲穂切り取り

もちろん、せっかく育てたのに、写真のように食べられてしまえば悲しくなることは当然でしょう。

その際に、人間の社会性・経済性を下支えするところに、いのちの複雑なつながりがあって、人間も野生動物もこの土地に存在していることを思い、野生動物の出す被害を被害でなくするような工夫や、ありがたく野生動物を利用するという考え方と技術が必要なのだろうと思います。

人間の都合のみで考えると人間が野生動物へ及ぼしてきた影響にも無頓着になってしまうでしょう。被害を受けたと感じたならば、それはなぜ起こったのかを、行政頼みや、農業従事者のみでなく、同じ土地で生きる社会でも考えていくことが、こうした悲しみにも持ちこたえられる力になるのでは、と感じます。

 

日浅さんたちとのお話① 野生動物をどう捉えるか?

私が猟踊会会員として活動に参加する中で、日浅さんたちとお話して感じたことを覚え書きとして残そうと思います。

今回は、野生動物をどう捉えるか?ということでした。私は、野生動物を、農業被害を発生させる加害者であるとともに、地域の大切な資源であると捉えるようになりました。

例えば、農業をする場所にシカやイノシシが入ってきて作物を食べられたら農家は困る。そのシカなども同じ地域に生きているなら、邪魔だからただ殺すよりも、おいしくいただけた方がなにやら気分がいい。いのちを大事にしている気がする。シカを邪魔者としてでなく共に地域に棲むものとして配慮する余裕も生まれると思う。

捕える技術と料理する技術があると、より多くの野生動物の見方・かかわり方が生まれてくる。そんなところに、野生動物を地域の大切な資源であると捉える方向性があるように考えました。

捕えられたシカ。2015シカ切り取り

その上で、地域のさまざまな住民の立場を踏まえつつ、新しいかかわり方を、岡崎市に住む私自身が模索したいです。これ以外にも、さまざまな立場や見方、技術などがあり、今後も皆様とお話をしながら考え、活動していきたいなあ、と思います。